【井伊の赤鬼】家康に愛された徳川四天王のひとり・井伊直政

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【井伊の赤鬼】家康に愛された徳川四天王のひとり・井伊直政

徳川四天王、徳川十六神将、徳川三傑に名を連ね、輝かしいキャリアを築いた井伊直政。現在放送中の大河ドラマ「真田丸」には残念ながら登場していませんが、来年度の「おんな城主 直虎」では、人気俳優の菅田将暉さんが演じることでも注目されていますね。徳川家康を語る上で外すことのできない井伊直政について、ここでしっかり語らせていただきたいと思います。

叔母・直虎の助けと家康との出会い

「危機を乗り越えた新生井伊家のシンボル・直政」
「危機を乗り越えた新生井伊家のシンボル・直政」

天正18(1590)年に誕生した井伊直政ですが、直後に父・直親が殺されてしまいます。そこで父の元許婚であり井伊家の当主となった叔母・直虎を養母とし、いったん寺に入ることになりました。
断絶の危機にあった井伊家を再興するために直虎は奮闘し、やがて直政は徳川家康に見出されます。家康の鷹狩りの帰りに出会ったとも言われていますが、小姓となった直政は旧領の井伊谷も取戻し、順調に出世していきました。

武田氏との戦いや小田原征伐、奥州仕置など数々の戦いで功を上げた直政は、外交官としての手腕にも優れ、多くの交渉事も上手くまとめます。その能力は豊臣秀吉にも認められ、聚楽第への天皇行幸の際、陪臣から唯一大名行列に参加し、昇殿することを許されたのでした。

関ヶ原における「ザ・ネゴシエーター・直政」

関ヶ原の戦いでは、本多忠勝と共に軍監を務めました。一方その裏では、諸大名を味方につけようと東奔西走しています。秀吉の死の直後から、直政は混乱する豊臣方の大名たちに接触し、家康に付くようはたらきかけていたのでした。

そんな中、直政は九州の軍神・島津義弘が率いる隊と交戦します。ここで直政は猛将ぶりを発揮し、近習を置いてけぼりにして、あの島津隊をほぼ単騎駆けで追いつめて行ったそうです。ただそこで負傷してしまい、やむなく撤退しました。

関ケ原にある松平忠吉・井伊直政陣跡(岐阜県不破郡関ケ原町)
関ケ原にある松平忠吉・井伊直政陣跡(岐阜県不破郡関ケ原町)

直政は戦後も働きづめでした。毛利輝元との講和、長宗我部盛親の謝罪の仲介を行ったほか、自分を負傷させた島津氏との和平交渉まで取りまとめたのです。また、真田信之の願いを受けて、真田昌幸・信繁父子の助命にも一役買っています。
それらの功績によって、石田三成の旧領である近江佐和山を拝領しています。負傷の身でここまで働くとは、ちょっと働きすぎじゃないかという気もしますね・・・。

さらなる活躍が期待された直政ですが、関ヶ原での負傷が癒えず、慶長7(1602)年に亡くなりました。彦根の地は、その後、息子の直孝によって発展していくのです。
ちなみに直孝は、ひこにゃんの逸話に登場する殿様です。

彦根城
彦根城

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最強・最恐軍団「井伊の赤備え」

直政は類稀なる猛将として知られていますが、それが確立されたのは、武田氏の旧臣たちを受け継いだ時でした。
勇名をもって知られた武田軍団は甲冑から旗指物からすべてを真っ赤に統一した「赤備え」の装いをしており、直政もそれを踏襲したのです。赤い甲冑に身を包み戦場を疾駆する直政は、「井伊の赤鬼」と恐れられました。そして、赤備えはやがて「井伊の赤備え」と呼ばれるようになり、幕末まで続いたのです。

『関ヶ原合戦屏風』に描かれた井伊勢。
戦場では目立ちまくり、恐れられた井伊の赤備え。『関ヶ原合戦屏風』

家康の寵愛を受けた美貌

そんな猛将の直政ですが、ものすごい美少年だったそうです。
このため小姓として家康から寵愛されましたが、直政のすごいところはその寵愛のことなどかすんでしまうほど功績を挙げたことです。

歴人マガジンではおなじみ徳川家康の肖像画。
直政を寵愛した徳川家康

譜代の家臣から妬まれることも多いなか、彼は仕事に対してとても厳しく臨みました。ただそれを周りにも要求したため、部下を手打ちにしてしまうこともあったそうです。

そうした激しい気性は戦場でも顔を出し、彼は先陣に立つことを好みました。そのため体中に傷があり、生涯無傷と言われた本多忠勝とは本当に対照的だったのです。
逸話も多く、「真田丸」に出なかったのが勿体ないですよね。
寡黙なのに気性激しく、なのに優れた外交官。直政は考察するのに興味深い人物です。
「おんな城主 直虎」ではどのように描かれるのか、今から楽しみです。

(xiao)

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