日本の伝統技術である「藍染め」。
デニムでは「インディゴ」とも呼ばれ、なんともいえぬ深い青が大好きですが、この色は「JAPAN BLUE」と呼ばれ、世界的にも有名なのだそうです。 藍染めの原料は「蓼藍=タデアイ」と呼ばれる植物。
3月くらいに種を植え、夏には育った蓼藍を刈り取り、そこから乾燥させ、水を与えて発酵させてようやく藍の原料になる「すくも」が出来上がります。
種まきから300日間もかけてできあがるその工程は、まさに職人さんたちの汗の結晶。本当に大変なのですね。
その藍は、古代の大陸から伝来、日本では平安時代から栽培されていたという記録も残っているようです。 また一説では古墳時代、古事記や風土記といった古文書に藍を表すのではないかという記述もあるとか。
このように、古代から全世界で親しまれ人間の暮らしに入り込んでいた藍は、薬としても重宝されてきたのですね。
日本では、徳島県が産業的に藍を栽培し始めた発祥の地で、全国シェアの80%を誇っていたそうです。
●しかし・・・藍染め存続の危機
しかし、この徳島県で、この10年間に原料となるタデアイを栽培する県内の藍農家が約90軒から約30軒に急激に減少。
その原因として、大手着物メーカーの相次ぐ倒産で藍染めの需要が激減したことや、化学薬品を混ぜて染めた物や海外の安価な染め物雑貨に押されたことなどが挙げられています。 当然染料の出来高も大幅に減り、吉野川市山川町は徳島県のなかでもさらに藍染めの発祥の地ですが、この地域では最後の1軒の藍農家しかなくなってしまったそうです。
そこでその残った1軒のご子息である坂東 未来さんは、
「今までの伝統工芸としての藍染めに頼っているだけでは、藍農家はなくなってしまう。藍の美しい色合いはもとより、その薬効(解毒・解熱・抗菌など)にも注目して「藍」という素材で新しい市場を開拓することはできないか。」 という思いで、有限会社藍色工房を設立。
アイエキスを配合した化粧石けんを中心に商品企画・製造・販売を藍の栽培から一貫して行ってきたそうです。 見るからに体によさそうですし、そして何よりお洒落でかわいいですよね。
●新しい藍のすがたが大阪でイベントに!
その藍色工房が5月27日(水)大阪・阪急うめだ本店にて『Japan Blue ~Lady Blue~』を開催することを決定。 ここでは、藍の魅力を「大人の女性にラグジュアリーに楽しんでいただく」ことをイメージしたアイテムを中心に展開し、収縮していく藍の業界に新しい光を当て、お客様に新たな藍の魅力を楽しんでもらえるイベントになりそうです。
『Japan Blue ~Lady Blue~』は、装飾作家である原田 諭起子のブランド「Matsuyoi」と藍染め雑貨の製造販売会社「藍色工房」がコラボレーションして開催する期間限定ショップ。
国内外から集めてきたアンティークパーツと藍染めを組み合わせたアクセサリーや、アイエキスを配合したスタイリッシュな化粧石けんなど、他にはないオリジナリティを持つアイテムが揃うとのこと。
これは単なるビジネスの話ではなく、日本に古くから伝わる伝統技術・伝統文化を残すための話でもあるのだと思い、歴人マガジンでも応援の意味を込めてご紹介させていただきました。
なお、このイベントは6月には東京にて開催予定とのこと。東京に来た際にはぜひ行ってみようと思います!
副編集長Y
参照元: 「藍色工房」オフィシャルサイト
イベント概要:
日程 : 2015年5月27日(水)~6月2日(火)
時間 : 午前 10:00~午後 8:00 (金・土:午後 9:00まで)
会場 : 大阪・阪急うめだ本店1階 阪急おくりものギャラリー『フバコ』
アクセス: 大阪府大阪市北区角田町8番7号
URL : http://www.hankyu-dept.co.jp/
電話 : 06-6361-1381
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