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【 三英傑も愛した桃山美術の最高峰が集結! 】「新・桃山展-大航海時代の日本美術」開催中!

鉄砲伝来から「鎖国」完成まで、日本がアジアやヨーロッパと繰り広げた交流の歴史を、華やかな美術品とともに紹介する「新・桃山展-大航海時代の日本美術」が九州国立博物館で開催中です。織田信長豊臣秀吉徳川家康ら天下人たちが愛した、安土桃山時代の巨匠・狩野永徳や長谷川等伯の傑作も登場。激動の100年間を、文化交流という新たな視点で見つめた展覧会の見どころを紹介します。

狩野永徳の没年に、秀吉の命により八条宮家の襖絵として描かれた大作。
国宝 檜図屏風(右隻) 狩野永徳筆 安土桃山時代 1590年(天正18)
(東京国立博物館蔵)【11月14日〜11月26日展示】

信長、秀吉、家康が案内人

ポルトガル人が鉄砲を伝えた1543年(または42年)から「鎖国」が完成した1639年。室町時代末期から江戸時代初期にあたる日本では、アジア諸国に加え、東方貿易に参入してきたヨーロッパとの交流が盛んに行われました。

この激動の時代に、織田信長、豊臣秀吉、徳川家康ら3人の天下人は異なる外交政策をとりました。この展覧会では、それぞれを案内役として、対外交流という観点から、時代を彩った美術品を紹介。天下人と美術品を紐づけて見られる、戦国好きにもたまらない構成になっています。3人がどんな交流を行ったのかおさらいしながら、おすすめの展示品を紹介します。

キリスト教に寛容だった織田信長

西日本の大名や海賊の後期倭寇による私的貿易が盛んだった16世紀半ば以降。鉄砲を伝えたポルトガル人は、倭寇の首領・王直(おうちょく)の船で種子島に到来し、1549年(天文18)にキリスト教を伝えたフランシスコ・ザビエルも、密貿易を行う中国の船に乗って、鹿児島へ上陸しました。

重要文化財 聖フランシスコ・ザビエル像 江戸時代(17世紀)
(兵庫・神戸市立博物館蔵)

その後、ポルトガルが南蛮貿易とキリスト教の布教を積極的に推進するにつれ、西洋文化が日本へと本格的に伝播します。天下統一を目指した織田信長はキリスト教に寛容で、その信仰も畿内や九州など各地で広がっていきます。1582年(天正10)には、九州のキリシタン大名が伊東マンショら天正遣欧使節をローマ教皇のもとへ派遣。教皇への贈り物には、信長が狩野永徳に描かせた「安土城図屏風」も含まれていました。

倭寇図巻 中国・明時代(16世紀)
(東京大学史料編纂所蔵)【10月31日〜11月26日展示】

日本の美術が花開いた豊臣秀吉の時代

豊臣秀吉が覇権を握った歳月は短いものの、この十数年は日本の美術の歴史の中でも最も稔り豊かな黄金時代でした。狩野永徳や長谷川等伯が手がけた絢爛豪華な屏風絵や、千利休の美意識が生み出した茶陶が、桃山文化の気風を今も色褪せることなく伝えています。

重要文化財 黒楽茶碗 銘 ムキ栗 
長次郎作 安土桃山時代(16世紀)
(文化庁保管)

秀吉は1587年(天正15)にバテレン追放令を出し、キリスト教に圧力を加えましたが、その後も各地の教会やセミナリオなどを中心に、西洋の文化芸術が浸透していきます。天下統一後、海外を目指した秀吉が、文禄・慶長の役で名護屋城から朝鮮に攻め入った頃、南蛮屏風の主人公として、地球を二つに分割して支配しようとしたポルトガル人とスペイン人が描かれるようになりました。

今回の目玉の一つとして、幻の「南蛮屏風」が約80年ぶりに公開となります。異国の港から出帆し(左隻)、日本の港へと到着する南蛮船(右隻)を描く「南蛮屏風」は、豊臣家の画家として知られる狩野内膳を最初に見い出した戦国大名、但馬出石藩主の小出家に伝来し、戦災で焼失したと考えられていました。

南蛮屏風(上・左隻、下・右隻) 狩野内膳筆 安土桃山〜江戸時代(16〜17世紀)
【10月14日〜10月29日展示】

徳川家康と「鎖国」への道

1598年(慶長3)、秀吉が死去し、朝鮮への出兵は終結。 後を担った徳川家康は、早くも翌年に朝鮮との国交回復交渉に着手し、1607年(慶長12)には使節の来日が実現します。
また家康は、東南アジア諸国との通商を求めて、朱印船貿易を開始。さらにスペイン領のマニラ(フィリピン)とアカプルコ(メキシコ)を結ぶガレオン貿易への参入を画策する一方で、豊後国臼杵に漂着したオランダ船の乗組員ウィリアム・アダムスを外交顧問に登用し、オランダ、イギリスにも門戸を開きます。こうした交易振興政策が功を奏し、諸外国の多彩な文化が日本にもたらされました。

重要文化財 エラスムス像 
ネーデルラント連邦共和国時代
(1598年)
(栃木・龍江院蔵)

しかし、変化は1612年(慶長17)に訪れます。駿府でキリスト教の禁令が出され、その弾圧は全国へ拡大、厳しさを増していくとともに、頂点を極めた南蛮美術も姿を消していきます。同時に幕府は出入国の禁止や貿易統制の強化をはかり、「鎖国」への道を踏み出すのです。

ここでは「南蛮鉄」を使った名刀など、まさに異文化交流が結びついた作品が展示されます。

家康お抱えの名工による「南蛮鉄」を使った傑作。
刀 銘 以南蛮鉄於武州江戸越前康継 慶長十九年八月吉日
越前康継作 江戸時代 1614年(慶長19)
(愛知・徳川美術館蔵)

美術品はもちろん、教科書で見かけた有名な絵が間近で見られるのは嬉しいですよね。今回の音声ガイド・ナビゲーターは草刈正雄さん。桃山時代、荘厳華麗な作品に隠された天下人のストーリーを紹介します。

目まぐるしく世界が変化した大航海時代の日本美術を、「文化交流」の視点からひもとく本展。天下人の新たな一面が見られる画期的な展覧会をお見逃しなく!

「新・桃山展ー大航海時代の日本美術」

開催日:2017年10月14日(土)〜11月26日(日)
開催時間:午前9時30分〜午後5時
※毎週金・土曜日は午後8時まで
※入館は閉館の30分まで
休館日:月曜
開催場所:九州国立博物館
新・桃山展公式サイト:新・桃山展ー大航海時代の日本美術
http://shin-momoyama.jp/

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