歴人マガジン

歴人マガジン

【 実は7人もいた『水戸黄門』 】暴れん坊将軍、銭形平次…時代劇のモデルは実在した?

娯楽作品として楽しい時代劇。ですが歴史に関心を持ち始めると、気になることが出てきます。
「実際はこんなこと、してないよね?」
「そもそもこの人、実在したの?」

そんな疑問にお答えすべく、有名なあの作品に登場する人物5人の史実性に迫ります。
実在する・しない、あなたはどちらか分かりますか?

幼い頃は本当に暴れん坊だった?「暴れん坊将軍」徳川吉宗

徳川吉宗像(徳川記念財団蔵)

8代将軍徳川吉宗が、お忍びで市井に繰り出し悪を討つ「暴れん坊将軍」
徳川吉宗はもちろん実在。享保の改革を主導するなど歴史的にも重要な人物で、歴史の授業では必ず覚えさせられる、超有名人でもあります。

歴史上の徳川吉宗はさすがに市井をうろついていたことはないようです。
が、幼い頃は手のつけられない「暴れん坊」だったのだとか。

また、「暴れん坊将軍」において吉宗は市井で「徳田新之助」を名乗ります。
この「新之助」という名は、吉宗が実際に使っていた名のようです。(ただし徳田ではなく得田)

部下を各地に派遣はしていた「水戸黄門」こと徳川光圀

水戸光圀

諸国を漫遊しながら各地で悪をこらしめる「水戸黄門」
幕末に作られた「水戸黄門漫遊記」という講談をはじめ、長らく市民に愛されてきた物語が基礎になっている時代劇です。
主人公の「ご老公」こと徳川光圀も、実在します。徳川家康の孫であり、水戸藩の2代目藩主です。

が、歴史上の光圀に、諸国を漫遊したという記録はありません。
ただ、光圀は「大日本史」という歴史編纂の大事業を行なっています。この時に、部下を各地に派遣して調査を行わせた・・・という事実はあるようです。

ちなみに「水戸黄門」とは、水戸藩主で中納言・権中納言に任命された「水戸中納言」のことをいい、実際には光圀のほかにも頼房・綱條・治保・斉脩・斉昭・慶篤の7人が「水戸黄門」になるようです。

さすがに桜吹雪はなかった「遠山の金さん」こと遠山金四郎

遠山景元
(千葉県立中央博物館大多喜城分館蔵)

遊び人として悪事を調査し、最後には奉行として裁きを下す「遠山の金さん」
この話も、江戸時代には歌舞伎などで基本的な形は完成し、長らく親しまれてきました。
主人公である遠山金四郎(遠山景元)も、実在の人物。若い頃は町屋に住んで放蕩生活をしていましたが、時の将軍・徳川家慶に裁判上手を称賛されていたそうです。「遠山の金さん」と印象が重なりますね。

ただ、肩から腕にかけた桜吹雪の入れ墨は、実際は場所や柄が違う、そもそも入れ墨をしていなかったなど諸説あり。いずれにせよ、桜吹雪はなかったみたいです。

また、劇中で使用されている家紋は「丸に三つ引き」ですが、実際の遠山氏の家紋は「丸に二つ引き」もしくは「丸に六本格子」だったとのこと。

実在が信じられた?けど架空の人物「長七郎江戸日記」

3代将軍・徳川家光の甥・長七郎が江戸にはびこる悪を討つ「長七郎江戸日記」
この作品も、最後に身元を明かして悪を成敗する勧善懲悪ものです。主人公の松平長七郎は、歴史事典や系譜にも記録されています。

実在する人物の父や先祖とも言われているので、長七郎も実在したと思われがち。
ですが、最新の研究によれば長七郎の父・松平忠長に子はなかったとのこと。つまり、松平長七郎は架空の人物と目されています。

徳川家康の孫にあたる徳川忠長

どうやら鷹司松平家の祖・松平信平や、忠長の従兄弟・松平忠直が配流先でもうけた永見長頼と混同されることが多いようです。

記念碑はあるけど架空の人物です!「銭形平次」

岡っ引きが子分と共に江戸の事件を解決していく「銭形平次」
小石代わりに銭を投げつけることからつけられた主人公の異名が、タイトルになっています。この銭形平次は、架空の人物。
モデルも特にいないようですが、銭を投げて戦うのは『水滸伝』における投石の名人・張清が参考にされているそうです。

通俗水滸伝豪傑百八人之一個・没羽箭張清

銭形平次が暮らしたとされる神田明神の境内には、銭形平次とその子分・八五郎の碑があります。
そのため実在なのでは?と思う人もいるようですが、これは作中の設定にあやかって、原作小説の出版社が建てたものなのだとか。

主人公のかっこよさと時代劇の面白さは永久不滅の“本物”!

実在する・しない判定、合っていましたか?
架空性が有名な作品でも、調べると意外な歴史が見えてくることも。
お気に入りの時代劇を入り口に、歴史を知る。知った歴史を踏まえて、改めて時代劇を見る。どちらもおすすめです!

(Sati)

関連記事
【人気時代劇からアニメまで】鬼平犯科帳「鬼の平蔵」こと長谷川平蔵とは?
【個性豊かすぎ】実はこんな人物だった!?徳川15代将軍まとめ
【夏はやっぱりビール!】最初に飲んだのは誰?日本のビールの歴史

Return Top