【レキシズル流 幕末おもしろ日本人⑥完結】 「最後の将軍 徳川慶喜(後篇)」

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さて、この幕末の連載を終わります。12回書いてきました。読んでくださった皆さん、本当にありがとうございます。

その締めくくりは徳川慶喜。まず押さえなければならないのは、彼は徳川将軍になりたい訳ではなかったこと。親父とそのサポーターの凄まじいプッシュと、多くの人間が慶喜を時代のホープとして認め、期待感がハンパなかった。結局彼は、15代そして日本史上最後の将軍になった。

ここで、まず想像してほしい。

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僕なら失禁して、どこかの山に逃げ込むことだろう。歴史を語る上で、この想像はとても大事なファクターだと思う。そいつの身になってやんないとダメだよね。思いやりだよね。

薩摩長州が同盟を結び、天皇を抱き込み、幕府にとって凄まじい逆風が吹く中、慶喜は奇策を実行する。

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これをカンタンに説明すると、「日本の行政権を、江戸幕府から天皇に返す」というもの。これは倒幕を目論む、敵方の薩長にとって振り上げた拳をどうすることもできなくする効果があった。つまり、喧嘩を吹っかけようにも幕府は国の元首ではなく、フツーの徳川家になるので、大義名分がない。云うなれば、殴り合うリングを無くしてしまう。

龍馬や土佐藩が提案したこのアイデアを慶喜はやってのけた。

しかし薩長はさらに踏み込んで、天皇を首座に新政府を立てる。そして慶喜に徳川家の領地を新政府に返せと命令。その理不尽さに収まりのつかない幕府軍やその味方の会津藩が、京都郊外で薩長と武力衝突。とうとう戦が始まった。そして序盤は薩長が取る。

このとき大坂にいた慶喜は、佐幕方に対し熱いメッセージを送った。
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佐幕方は奮い立ち、よっしゃ!ここから大逆襲だ!と思った矢先、なんと慶喜はー

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それに後で気づいた味方は口あんぐり、ここから一気に佐幕方は敗走。薩長は最強の旗を掲げ江戸へと進軍する。

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なぜ慶喜は戦わなかったのか?その深い理由とは何なのか?

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そしてー

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結局、勝者になった薩長にギリギリのラインで慶喜は許され、生き長らえる。その晩年は静岡で自転車に乗り、好きなカメラでよく写真を撮ったそうな。76歳まで生きた。

新しい日本、新しい時代。
慶喜はその夜明けを担う、運命の男だった。

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【プロフィール】

渡部さん

渡部麗(わたなべりょう)

歴史クリエイター。
東京・御茶ノ水で歴史コミュニケーションメディア「レキシズル」を主宰。所有しているショットバーの水曜日を「レキシズルバー」として開放。歴史好きの交流を活性化しながら、畳敷きのイベントスペース「レキシズルスペース」で歴史をポップにわかりやすくプレゼンする「TERAKOYA」などを開催。

レキシズル」オフィシャルサイト

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【レキシズル流 幕末のいろは①】短いけど濃い!16年間を理解する方法
【レキシズル流 幕末のいろは②】「思想」を理解しちゃおう!
【レキシズル流 幕末のいろは③】「考え」を知り、人物に当てはめてみる
【レキシズル流 幕末のいろは④】 佐幕の「美しい記憶」 
【レキシズル流 幕末のいろは⑤】幕末を難しくした男
【レキシズル流 幕末のいろは⑥完結】 End of the times 

さらにその後の「幕末おもしろ日本人」はこちらから!

【レキシズル流 幕末おもしろ日本人①】「魔術師 清河八郎」
【レキシズル流 幕末おもしろ日本人②】「激情 吉村寅太郎」
【レキシズル流 幕末おもしろ日本人③】「時代のトビラ 渡辺崋山(前篇)」
【レキシズル流 幕末おもしろ日本人④】 「時代のトビラ 渡辺崋山(後篇)」
【レキシズル流 幕末おもしろ日本人⑤】「最後の将軍 徳川慶喜(前篇)」

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