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【 江戸時代のミシュラン!?】番付や絵巻で読み解く展示「江戸のグルメ案内」開催

世界中のおいしい料理が食べられる、グルメ都市・東京。料理を星の数で評価する「ミシュランガイド」でも、多くの星つきレストラン数を誇っています。実は江戸時代後半にも、料理茶屋をはじめ、多彩な食の名店があり、お店を格付けする番付も存在しました。そんな、江戸の人々の豊かな食文化とこだわりを紹介する特集展示『「もの」からみる近世 「江戸のグルメ案内」』が、2018年1月5日(金)〜2月4日(日)まで国立歴史民俗博物館(千葉県佐倉市)にて開催されます。

今も昔も番付が大好き

江戸の料理茶屋を相撲の番付に似せて
ランキングにしたもの。
「八百善御料理献立」江戸末期
(国立歴史民俗博物館蔵)

この展覧会では、現在の料亭にあたる料理茶屋や食に関する資料のもと、江戸時代の食文化はもちろん、現代人にも劣らない江戸の人々のグルメぶりが紹介されています。

注目なのは番付。江戸時代は、相撲の番付をマネして、いろんなものを格付けして番付にすることが流行していました。なかでも、江戸市中の有名料理茶屋の番付が数多く残されており、食への関心の高さがうかがえます。番付もおいしいものも、現代人と同様、江戸の人々も大好きだったようです。

料理茶屋は江戸の「名所」だった!

川魚料理で知られた向島の武蔵屋を描いたもの。
歌川広重「江戸高名会亭尽 牛島 武蔵屋」
天保(1830~44)後期
(国立歴史民俗博物館蔵)

もうひとつの注目展示は、「東海道五十三次」で知られる歌川広重が描いた錦絵「江戸高名会亭尽」。名所絵の第一人者でもある広重が、江戸市中の著名な料理茶屋を描いたシリーズです。このことから、料理茶屋が「名所」として認識されていたということがわかります。現代でも趣向を凝らした飲食店は多数ありますが、江戸の頃もあったようですね。ぜひ、豪華な座敷や庭に注目してみてください。

資料でわかる多彩な食文化

江戸のお買い物ガイド。口絵の作者は葛飾北斎。
『江戸買物独案内』の内「飲食之部」文政7年(1824)
(国立歴史民俗博物館蔵)

また、江戸の買い物ガイドといえる『江戸買物独案内』には、会席料理だけではなく、茶漬けや鰻の蒲焼など、多彩なお店が掲載されており、江戸の外食文化の豊かさがわかります。さらに、段中央の「上り」に近いマスほど高級な店が揃う絵双六は、実は格付けランキングでもあるという遊び心も。寿司や天ぷら、そばなど、当時はファーストフードだった食べ物も多数掲載されています。

食べ物屋をテーマにして絵双六。
「新版御府内流行名物案内双六」江戸末期
(国立歴史民俗博物館蔵)

見ているだけでお腹が空きそうな、見た目も中身もおいしい特集展示で、江戸時代の豊かな食文化に触れてみてはいかがでしょうか?

特集展示『「もの」からみる近世 「江戸のグルメ案内」』

開催日:2018年1月5日(金)〜2月4日(日)
開催時間:午前9時30分〜午後4時30分(入館は閉館の30分前まで)
休館日:月曜日(祝日の場合は翌平日)
開催場所:国立歴史民俗博物館 第3展示室 副室
お問い合わせHP:国立歴史民俗博物館
https://www.rekihaku.ac.jp/index.html

(編集部)

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