先日、総務省が発表した国勢調査(2015年10月実施)によると、日本の総人口は外国人を含むと1億2709万4745人。2010年に行われた前回調査に比べると約96万人ほど減少し、国勢調査における総人口の減少は1920年の調査開始以来初めてだそうです。特に出生数が死亡数を下回っていることが大きく影響したとみられています。
少子高齢化が問題とされる現代日本。たしかに日本は、基本的には爆発的増加と停滞を繰り返しながら徐々に人口を増やしてきました。人口が減る、まして高齢者の占める割合が大きくなるのは、今までになかった事態なのかもしれません。
ところで、人口が増加したタイミングのひとつに戦国時代がある、と考えられています。
戦乱の世では人口は減りそうなものですが、反対に増加したというだけでも興味深いですね。
この記事では日本において、人口が大きく増加したタイミングとその理由について、とある研究結果をご紹介します。
気温と共に人口が変化した縄文時代
木の実の生産性が高い落葉広葉樹は、縄文人にとっては貴重な食糧でした。
そのため、落葉広葉樹の増減は、ひいては人口の増減にも直結したようです。平均気温が上がるとともに人口が増え、下がると減りました。
弥生時代には農耕によって食糧確保が効率的になり、人口が大きく増加しました。
以降は停滞しながらも緩やかに増加していきます。
大名の領内開発により人口が大増加
次に人口が増加したのは16~17世紀頃。人口増加に大きく貢献したのは、各地の大名たちでした。大規模な領内開発により食糧の生産性が向上、国力を上げるために開発はさらに熱心に行われました。
この流れで農民にも生活に余裕が生まれ、誰もが結婚する社会へと変化しました。これによって出生率も上がり、人口はさらに増えていきます。
ちなみに、諸説ありますが1600年(関ヶ原の戦い)頃は大体1500万ほどの人口だったのではと言われています。
江戸時代になって泰平の世となると、人口の減少率が下がった分さらに人口の増加率が上がります。ですが18世紀頃には頭打ちとなり、ふたたび停滞します。
近代化して爆発的に増加し続けた人口
停滞していた人口がまた増加し出すのは明治以降。西洋医療の導入によって死亡率が激減する一方、出生率は変わらず、日本史上類を見ない勢いで人口が増加していきました。
明治維新頃には3000万人ほどだった人口は、2007年には約1億3000万人を迎え、以降は出生率の低さから徐々に減少しています。
日本列島における人口の変化について、ざっと眺めてみました。
数千年にわたる歴史の中で、現在注目されている人口減少はまだ10年ほどのこと。予測では今後も減少の一途を辿るようですが・・・何百年か後に日本の歴史全体を眺めた時、この人口減少がどのような形を残しているか、気になるところです。
(Sati)
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